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キモチワルイくらいぐだぐだに甘いので、そんなん高土として間違ってるんじゃねェ、という方はお引きかえしください。
左が一番自覚してます。
でも楽しいです。
平気って方はどうぞ。
ほんとアレなんで…すいません…。
頭が霞がかったようにぼんやりとする。身体を起こすと、そのままふらりと傾いで、思わず布団に手をついた。
「…あー…」
これはヤバいな、と。土方は小さく嘆息した。身体が熱い。熱いのに、ぞくりと寒気がする。一瞬頭の中で考えて、やがて土方はふらつく身体を引きずり起こした。
「…学校……」
時計を見れば、もう既に相当の時間が過ぎている。とろとろと制服に着替えると、顔だけ洗って、土方は鞄を掴んで家から飛び出した。
「遅ェなァ…」
ちらり、と携帯を確認して、高杉はこそりと呟いた。待ち合わせの時間から数分経っている。自分が時々遅れることはあっても、土方が遅れることは殆ど無い。だからといって、置いて先に行ってしまおうなんて、もとより考えもしないのだけれど。
「悪ィ…」
遅れた、と。駆け寄ってきた土方の顔は少し赤くなっていて、声も僅かに掠れている様だった。
「土方?」
「あ?」
「…調子、悪ィのか?」
「別に……」
「声、かれてるぞ」
仕方ねェ、と嘆息して、高杉はぽんとその頭に手を乗せた。
「今日は休め」
ほら、と手を引いて、向かいの土方の家まで連れて行く。
土方家は、殆ど土方一人で生活している状態だ。父親は海外で、母親は仕事で三日も四日も帰ってこないことは珍しくなかった。
「…学校、もうすぐテストだ…」
「てめェの頭なら一日くれェどうってことねェ」
「…部活、大会…」
「馬鹿か、んなの関係ねェ。つかお前すげェ熱あんじゃねェか…!」
土方の額に手をあてれば、掌がじんわりと暖かくなる。鍵を出せ、と半ば無理やり制服のポケットを探って、土方を家の中へ放り込んだ。
「……晋助…熱い…」
でも寒い、と。服の袖にしがみ付けば、呆れたような声が返ってくる。
「良く学校行こうなんざ考えたな…ったく…」
布団に放り込んで、掛け布団をそっとかける。自分と土方の鞄を部屋の隅へほうって、少し待ってろよ、と高杉は二階の部屋から台所へ降りていった。
既にかって知ったる人の家だ。救急箱から適当な薬と張るタイプの冷却材を取り出して、いそいそと二階へ戻る。
「学校に連絡入れておいた。今日はちゃんと休め」
薬を飲ませて、ぼんやりと、半分眠っている土方を布団へ横たえる。
「…晋助…学校は…?」
「あ?てめェがいねェ学校なんざ行く気にもなんねェよ」
くしゃり、と滑らかな髪をかき回してやる。
「…なら、今日は二人だな…」
「…あ…?」
に、と笑った土方が、唖然と目を見開く高杉に、そっと口付けた。熱く、熱を帯びている。
「…晋助がいてくれんなら……さみしくねェ…」
へへ、と笑って、呆然としたままの高杉の手を握る。
「…ったくお前は……」
寝台に凭れかかって、高杉は呆れたように溜息をついた。
さっさと寝ちまえ、本当に…っ
良いにおいがして、土方は薄っすらを目をあけた。少し、体調はマシになっている。
「起こそうと思ってたとこだ」
足でドアを開けて、高杉が小さな土鍋を手に部屋に入ってくる。
「卵がゆな」
「…美味そう……」
弁当を作らせているわりに、一人暮らしだからだろうか、高杉は料理が出来る。ふわりと漂う香りに、土方はこくりと喉を鳴らした。
「腹、減ってるか?」
「…少し」
「なら少しでいいから食え」
ほら、と悪戯に笑った高杉が、かゆを巣食ったスプーンを土方の口元に突きつけた。
「食わせてやる」
尊大な言い方にむっと口を尖らせた土方だが、こういう時に高杉が譲らないのを良く知っている。
知っているから、小さく毒づくのだ。
「…阿呆か…っ」
それでも、卵の香りのかゆは、暖かくて美味かった。
主夫杉がこんなとこにも光臨してる…。もうやめよう、うん。
気持ち悪いくらいお互いが好きな高土その二。
よし、今回もキモチワルイ。