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恥ずかしい(以下略
のシンスケvr。

死んできます・・・。

高土です。
シンスケ編です。




携帯を買った。それも最新の、テレビが観られるやつだ。赤いちりめん模様にして、着物とお揃いにしてみた。
満足そうにそれを握りしめて、高杉はふらふらと土方宅への道筋を辿っていた。今日は私宅に戻っているはずだ。
随分遅くなってしまったが、もう寝てしまっているだろうか。

遅くなったのは、ショップの店員に携帯の使い方を教わっていたからだ。もう閉店だというところを刀で脅して、教えをこうた。脅迫だ。
最低限、アドレスの交換と、カメラの使い方だけを教わってきたから、コレで何とかなるだろう、と。

無くしたら大変だと常に三本は携帯している土方宅の合鍵で、こそりとその家の中へ滑り込んだ。

案の定土方は寝ていた。寝顔をカメラに収めようと思ったのだが、できれば、起きている時のあの瞳が欲しい。
だから、布団をはがして起こしたのだ。

刀を抜かれた所をすかさず押さえ込んで。ぼんやりとしている土方に向かって、カメラのボタンを押す。
かしゃり、と小さな音がして、その画面の中に土方の虚ろ気な顔がおさまっていて。
それを待ち受けに設定して、高杉は至極満足そうに、口元をつりあげた。
これで、携帯を開ける度に何時も土方だ。それも寝起きの無防備な。できればこれを期に、写メ(というのだ、とショップ店員から聞いた)で土方のコレクションを作ってみたい。万斎がパソコンを持っていたから、そこに転送して写真として印刷させよう。
頭の中で膨らむ計画を知って知らずか、酷く土方に怒鳴られた。

疲れた顔をして布団にもぐりこんで。眠ってしまった土方を、心配そうに見下ろす。どこか具合でも悪いのだろうか。心なしか魘されているような気もする。

「疲れてんのかァ…ちきしょう、無理しやがって…」
その黒い髪にさらりと手を這わせる。指の間を流れていって、それが愛しいと思った。
守らなければいけないのだ。
「これで、何時でも俺を呼べよ。そんな疲れきる前になァ…」
つ、と唇を寄せて。眠っている土方の頬に口付けた。

もう一つ、仕事が残っている。疲れている土方を癒してやらなければならない。
枕もとの充電器にささっている土方の携帯を抜いて、ぱかりと画面を開いた。自分のより一世代前らしいのだが、使い方は殆ど同じだ。

「っと、コレ…で、コレ…で」
ぶつぶつと呟きながら、もらった説明書を必死で呼んでいく。
一時間ほどかかって、漸く声の録音が出来るところまで進んだ。
きょろきょろと辺りを確認して、余計な音が入らないかを確認する。大丈夫だ。


「…愛してるぜ」


出来るだけ、土方を癒せるように。そうして自分を思い出すように。
この狂おしいほどに。何時でもその手をとてやりたいのだ、と。伝わればいい。
一言、そう吹き込んで、高杉は、満足そうに、それを土方のメールの着メロに設定した。これでメールが来る度に、土方は自分の声を聞いて、そうして、少しでも疲れを和らげてくれるだろう。

自分の着メロも出来れば土方の声に、それも、「愛してる」とか「一生傍にいたい」とか。でなければ「イかせて」や「もっと…」とかを設定してみたい。
メールが来るたびにあの声で「もっと…」なんて言われたら、もう自分が色々大変になってしまうのだけれど。

最後に、土方の携帯から自分にメールを送って、土方のメアドを受け取っておく。ショップの店員は赤外線なるものを使えば早いと言っていたのだが、残念ながらそれがどこにあるか解らなかったのだ。

明日からはまた一度京にもどらなければいけない。
名残惜しいけれど。

「俺が、いつでもいるからな」
そう耳元でそうっと呟いて。いまだ何事か魘されている土方に後ろ髪をひかれるようにして、そうっと家から出て行った。


京へ行く夜行の列車に乗って、その道すがら土方にメールを送った。勿論、アドレス帳には登録してある。「土方十四郎」では志士仲間に見られるととても困るから、登録名は「まいはにー」にしておいた。メールもしっかりロックしている。これで、自分と土方の甘くて(予定)大切な(予定)メールを見るものは、誰も居ないはずだ。

まだ起きてはいないだろうけれど、できれば夢で魘されないように。着メロで流れる俺の声を効き続けてくれればいい。それで、少しでも心穏やかに眠れているといい。


土方は自分のアドレスと登録してくれただろうか。
京で志士達の会合に顔をだしたり、テロの計画を練ったりとしているうちに、そんな不安が高杉の心を揺さぶる。一応、こまめにメールはしているのだが、今のところ一通も返ってきていない。流石にもう仕事をしている時間だ。
メールを打てないような、怪我でもしたのだろうか。事故なんかにあっていないだろうか。
今のところ江戸でテロの予定はないから、大丈夫だとは思うのだが。
もしかするとメールを真選組の誰かに見つかって、携帯を取り上げられているのかもしれない。だとしたらメールを送るのは止めたほうが良いだろうかと思うのだが、不安で仕方が無いから、ぱちりと画面を開けては土方の寝顔を堪能する。

「…土方ァ……」

ぐたりと宿の一室で寝転がって。
ぴろり、と無機質な機械音が、耳元で鳴った。


まいはにー


がばりと飛び起きて、思わず携帯を両手で捧げ持つ。震える手でぽち、とボタンを押して。

『しつけぇんだよ、馬鹿野郎』

ぶっきらぼうなその一言だけだったのだけれど。


よかった。
届いていたようだ。

 


――
スイマセンスイマセン。
可哀想なシンスケが書きたかっただけですスイマセン…。

 

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