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2007.08.24 Fri 00:25:12
そろそろ忘れられてる感じの、キモチワルイ高土9。多分。
一回消えたやつです。
シンスケくんが鬱々してる話。
一回消えたやつです。
シンスケくんが鬱々してる話。
「十四郎・・・」
何度目かの呟きを零して、高杉はくたりと机に突っ伏した。
土方が、いない。
剣道部で全国大会に行くというから、おめでとうという前に、泊まりか、と聞いてしまった高杉は、案の定、ここ二日ほど、生ける屍状態で過ごしていた。傍から見ていれば完全に死んでいるのだが、時折思い出したように、十四郎、と呟くのだ。
授業中休み時間関係なくそう在るものだから、クラスの雰囲気はどこかぎこちなく、窓際の席には誰一人、近づこうとしない。
「どうせすぐ負けるから、一拍二日だしな、土産、買ってくっから」
そう言って、土方が行ってしまったのが三日前だ。運が良いのか実力なのか、勝ち進んでいるらしく、剣道部の遠征は伸び続けている。
最初のころは職員室の前で、このまま優勝したらどうしましょう、なんて嬉しそうに話している教師を見かけたけれど、片っ端から高杉が睨みつけているせいだろうか、ここしばらくは聞かない。
当たり前だ、全国制覇で土方が喜ぶのはもちろん嬉しいけれど、このまま行けばあと二日は帰ってこないことになる。
「十四郎・・・」
そんなことになったら、自分はどうなってしまうのだろうか。
帰ってくるなら一度学校に寄るだろうから、土方が居ない学校に高杉が律儀に出席しているのはそういうわけだ。
教師や他のクラスメイトにしてみれば、土方がいてこそ耐えられる高杉である。安定剤がいなくなった今、だれもその危険地帯に踏み込もうとはしなかった。
「十四郎ー・・・」
今頃、何をしているのだろうか。昼時だから、試合の合間に昼食でも摂っているのだろうけれど。
「ちゃんと飯、食ってんのかよ…」
高杉の昼食は無い。土方が作った昼飯以外のものなんて、食べるものか、と思っているからだ。
朝家を出るときに空の弁当箱を見つめて、深く嘆息したことを思い出して、高杉は突っ伏したまま身じろいだ。
「十四郎の飯、食いてェ・・・腹、減った・・・」
良かったら食うか、と恐る恐るパンを差し出す挑戦者一号を睨みつけて、高杉は再び机の木目と見詰め合うのだ。
いつになったら、帰ってくるだろうか。
土産なんかいいから、早く、早く――
たった三日だ。三日だけれど、酷く長い時間だ。夜に電話で少し喋るのだけれど、受話器越しの声はまた、違って聞こえるから。
あの声と、暖かさがほしい。
授業なんて一分も聞いていない。教師の喋る呪文のような数式を聞き流しながら、高杉は、ようやくその声の合間に別の音が混じっているのを捉えた。
「誰だ、携帯」
苛々と注意する教師を完全に無視して、高杉はうつぶせたまま身体を捩って、尻のポケットから携帯を引っ張り出す。
ディスプレイの名前を確認して、高杉は眼を見開いた。
『高杉か?』
「・・・ああ」
『っつか授業中・・・だよな・・・?サボリか?」
「サボってねェよ」
携帯で話しはじめた高杉に、青筋を浮かべた教師が靴を鳴らせて近づくのだけれど。声をかける寸前で高洲gに睨みつけられて、びくりと一瞬硬直した。
当然だとばかりに、高杉が、は、と鼻で笑う、
直接には劣るとはいえ、土方からの電話なのだ。羅列された数式より、呪文を唱える教師より、よっぽど価値がある。
『負けた』
そう言った土方の言葉が、震えていたのは、やはり悔しかったからだろうか。背後で聞こえる遠慮の無い泣き声は、きっと近藤のものだろう。
「お疲れ」
『今日、今から帰るから』
「待ってんよ」
『…泊めろよな』
ぽつりと呟かれた言葉に、高杉の機嫌が上昇していく。
「断るわけねェし、来いよ」
『ああ、じゃァな』
そっけなく電話は切れて。
けれど、電話の向こうの土方は、きっと赤い顔をしている。
疲れているだろうから、風呂を沸かしておいてやろう。出来れば一緒に入って、疲れた筋肉をほぐしてやって。抱き合って、寝よう。
携帯を握りながら口元を綻ばせた。
「俺、早退します」
一度帰って準備をして、また迎えに来よう。今からだと、きっと夜になるだろうから。
立ち尽くしたままの教師を一瞥すると、高杉は何も入っていない鞄をぶら下げて、教室から出て行った。
おかえり。
そう言って、迎えてやろう――
寂しくて寂しくて仕方が無いシンスケ。
二日間周りに当り散らした挙句、三日目で鬱。
何か、スイマセン・・・。
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