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キモイ高土に金さん参戦です。
相変わらずいちゃこら。

三年Z組、銀八センセイ苦労日記みたいになってきた。



銀髪に金髪の兄がいると知ったのは、その男が放課後の職員室にふらりと尋ねてきたからだ。一つ違いの兄らしく、弟の銀八とは違って、浮いた商売で食っているらしい。銀八とは殆ど連絡を取り合っても居ないようだったのだが、非常識なその金髪は、暇だからという理由で弟を訪ねてきたのだ。
だからその金色が職員室に現れて、そこにプリントを抱えた土方がいたのは。偶然としか言いようがなかったのだ。

その次の兄の一言を聞いた途端。この世で最悪の偶然だと。銀八は密かに頭を抱えたのだった。

「――アンタ生徒?銀八の教え子?俺に抱かれてよ」

この学校に、触れてはいけないものが三つある。
校長のヅラと某オ●Qに似た二宮金次郎。そして、高杉晋助と土方十四郎の世界だ。
特に三つ目は、特殊なフィールドでも張られているのか、それとも攻撃力の問題か、触れただけで此方の精神力が底をついてしまう、胃痛の種だった。

「何言ってんのオマエぇ!」
突然で何の反応も出来ずに立ち尽くす土方を背中に庇って、銀八はありったけの声を張り上げた。
「オマエ解ってんの!?今何言ったか解ってんの!?」
「うるせェな銀八、その天パハゲんぞ」
「オマエだって天パだろうが!」
違うのは色だけで、銀色と金色は、対にでもなるかのように、よく似ていた。やる気の無いところや死んだ目も同じだ。
二人を見比べながら、土方はゆっくりと眉を顰めた。
本当の所、自分が何を言われたか、聞いてはいたけれど、理解していなかったのだ。
そんなことを自分に向かって言うのは高杉だけだと思っていたし、言われるつもりもなかったからなのだけれど。

「つか人の教え子に手ェ出そうとすんな!」
「こんな可愛いのいるんなら教えろよてめェも」
「誰が教えるかァ!」
必死で叫ぶ銀八を他所に、金色は、ひょいとしゃがんで、土方を見上げた。そのふわりと揺れる金髪も、色を変えれば担任にそっくりだ。
そう、ぼんやりと思っていた土方は、だから、唐突に手を取られても、何の反応も出来なかったのだ。

「俺、坂田金時。ホストやってんだ」
「ホスト?」
「そ。こっからはちょっと遠い店だけどな。名前は?」
「土方、十四郎」
そこに来てようやく警戒心が芽生えてきたのは、ホストという余り聞きなれない言葉を聞いたせいだろうか。
確かに、見上げて笑うその顔は、大多数の女性が歓声を上げるものではあるし、素直に格好良いとも思う。
けれど。
だからといって、その申し出に頷いてやるわけにはいかないのだ。

「じゃァ十四郎。俺とホテル行こうぜ。その変の安いラブホなんて言わねェからさ」
取った手を握り締めて、金時は銀八の後ろから土方を引きずり出した。
「青少年に何言ってんの!」
慌てた銀八が、反対側から土方の肩を掴む。
痛い、と講義の声を上げてみるけれど、どちらも放す気は無いようだった。

「――十四郎!」
聞きなれたその声に、土方はほっと安堵の表情を浮かべて。銀八は呆然と天井を振り仰いだ。
「・・・よりによってこんな時に来なくてもさ・・・・・・」
物事はややこしい方向へ転がっていく。高杉晋助は、職員室の扉をぶち破る勢いで開けると、金色と銀色に挟まれた土方に駆け寄った。
「何してんだ、天パ野郎!」
怒声を吐いて、金時の腕も銀八の腕も、土方から払いのける。
「晋助」
「大丈夫か、十四郎」
その身体を抱き込んで。高杉はじろりと銀色と金色を睨み付けた。
職員室では、もう誰も彼も見て見ぬふりを決め込んでいる。生徒は誰一人入ってこなかったし、教師も、何かと仕事を見つけては、一人二人と、こそりこそり、職員室から抜け出ていった。

「誰だその金髪」
「オマエこそ誰だよ」
土方を取られて、不機嫌そうに眉を顰めた金時は、じろりと高杉を睨み返した。火花でも飛び散りそうな勢いでにらみ合いが続く中、銀八は宙に視線を彷徨わせながら、ぽつりと小さくため息を吐く。

「・・・誰か助けてくれよ・・・」
ヅラの校長でも二ノ宮金次郎でも構わないから。

「つーか、なんでてめェ十四郎に触ってやがったんだ。コイツは俺のモンだ」
「ああ。俺、シンスケのだし」
「何それ!?」
当たり前のように相槌を打った土方に、金時は目を見張った。
「ついでに、シンスケも俺のだから抱きてェなんて言いやがったらぶっ殺す」
しっかりと高杉の腕を握り締めて。土方が金時を睨み付けた。金時の瞳が、困ったように眇められる。
「っ十四郎、そんなこと言われたのか!?」
「あ、ああ・・・」
耳元で叫んだ高杉にびくりと身体を震わせて。土方が瞠目して頷いた。
「てめェ、十四郎に触っていいのも、抱いていいのも、俺だけなンだよ!」
「ていうかお前らそういう関係なの!?」
慌てて銀八の方を向いた金時が、肯定の頷きを返されて。高杉と土方に、交互に視線を向ける。
諦めろ、と。ぽん、と肩に手を置かれて、金時はその死んだような瞳を弟に向けたのだった。

後で聞けば、その黒くて、生意気そうな鋭い瞳に一目惚れしたというのだから。ナンバーワンホストもわからないものだと、銀八はきりきり痛む胃を押さえながら、漸く誰もいなくなった職員室で、机に突っ伏した。
あの分だとまたやってくるだろう。
土方が頷くわけが無いし、高杉と金時の相性はきっと最悪だ。
「ありえねェ・・・」
ぽつりとそう呟いて、銀八は二度のあの兄が来ないように、と。深く深く願ったのだった。これ以上の面倒は御免だ。

「何もされてねェか?」
廊下の隅で土方の髪を掻き混ぜながら。高杉は不機嫌そうにそう言った。
「大丈夫だ。晋助が来てくれたからな」
「当たり前だろ」
そうして、手を繋いで。
沈む夕日にあの金色を思い出して、高杉は小さく舌打ちした。

「絶対ェぶっ殺す・・・」

出来れば、あの不穏な銀色共々だ。
この腕にそっと添えられる暖かさを。誰かに渡してたまるものか。


――
金さんが突然書きたくなっただけです。お兄ちゃんです。皆して、銀八センセイの胃に負担をかけるという話です。
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