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キモイ3Z高土です。

シンスケくんがアッチの世界にぶっ飛んでる話です。ランドセルだっ、て叫びます。
残念な感じです(何時も

そういや去年の今頃は人生で一番勉強してた気がします(笑)ありとあらゆる意味で必死だった・・・。
受験する方々は一部推薦以外はこれからですね・・・頑張ってください!

そんな意味を込めたのか込めてないのか、進路ネタです。



でも残念な感じです(二回目




朝起きたら、隣で寝ている筈の土方がひどい汗をかいていて。慌てて飛び起きた高杉は家中の薬を掻き集めて、寝台で横になっている土方の枕元に膝をついた。
昨日の情事の跡が所々残る身体にシャツやらパジャマやらをごっそり着せて、荒い息を吐く土方の額に濡れたタオルを置いた。
「――晋助……」
学校なんか知ったことか、今日は一日看病してやる、とぐっと拳を固めた瞬間に、土方の弱弱しい腕が、高杉の服の袖を掴んだ。
「キモチ、悪ィ……っ、吐きそ……」

青い顔をしてそう言った土方に眼を剥いて、高杉は慌てて洗面器を取りに走ったのだった。



そうして学校も終わった頃。
「坂田先生、生徒が来てますよ」
「わかりました」
呼ばれて、気だるそうに銀八は重い腰を上げた。銀髪をくしゃりと掻き混ぜて、そうして、職員室の前で神妙な面持ちで立っている高杉を見て、驚いたように眼を見開いた。
「・・・何してんのオマエ・・・」
今日は土方が病気だか風邪だかで休んでいたから、当然高杉も休みだ。久しぶりに平和な授業だったらしく、教師が皆ほっとした顔をしていたのだ。

「銀八、話がある」
「うわ何、キモチ悪ィ・・・」
「進路の、事で」
何時に無く真剣な高杉に、銀八もゆっくりと眉を顰めて、取り合えず、と職員室の傍らにある教室へ入ると、高杉を椅子に座らせた。

「つか今更進路とか言われてもよ、お前の進路要領出来てんだって」
「――何でだよ・・・」
進路希望調査なんて一度も出したことはないし、三者面談も行かなかった筈だ。確かその日は土方と高杉が付き合い始めて一周年の日だったから、二人して高杉の家でずっと一緒に居たはずだ。
そういえば三者面談だったな、と気がついたのは次の日で、更にその次の日に、親に言うのを忘れていたと気がついたのだから、ずっと教室で待ち続けた教師は報われない。

「土方君のコピーして名前だけ書き換えた」
ほら、と見せられたそれは、確かに自分の名前だけ修正テープで消されている。担任団しか見ない書類とは言え、こんな適当で良いのか、とも思う。
「オマエら仕事しろよ」
「良いんだよ、どうせ土方君と同じトコ行くんだろ?成績も偏差値も殆ど同じだし、もう二人で好きに生きていけば良いと思うよ、先生は」
投げやりに指導書を机に放り投げて、銀八は面倒くさそうに椅子に深く腰を預けた。
土方は元々なんでも一人でこなしてしまう性質であるし、高杉は土方とセットで置いておけば全く――精神衛生上以外は――無害である。ゼロ地点から這い上がってきた高杉であるが、土方の存在のなせる業か、今ではクラスのトップ近くにいるのだ。
このまま二人で同じ学校へ進学して、晴れて卒業してくれれば解放される――
この二人の進路に関しては、職員室でもそう見解が一致したところである。

「それなんだけどな、銀八――俺就職しようと思ってんだ」

じっと机に視線を落として、高杉はそうぽつりと呟いた。

一瞬しん、と空気が凍る。
「――っぇえ!?」
一拍おくれて、銀八が机を叩いて立ち上がった。倒された椅子が間を明けて派手な音を響かせる。
「うるせェな・・・」
「就職って、オマエ・・・土方君と離れ離れだよ!」
進学でも就職でも手間は変わらないので、銀八としてはどちらでも良いのだが。土方は進学を選ぶだろうから、高杉が就職を選ぶなんてありえない、と思っていたのだ。
「何オマエら喧嘩でもしたのか!?」
今まで喧嘩らしい喧嘩もしたことが無いけれど、絶対とは言い切れない。
これで高杉が一年前の、元の手の付けられないような状態に戻ってしまえば、頭が痛いではすまない話だ。
心中汗をだらだらと流しながら、銀八は若干引き気味の高杉に詰め寄った。

「喧嘩なんざするわけねェだろ!」
「だったら突然何だよ・・・」
詰め寄った姿勢はそのままに、銀八は次の瞬間、ひくりと瞬きさえせずに凍りついた。

「――やっぱりよォ、ガキ、できると金かかるだろ」

疑問の声すら出ない銀八に視線すら向けずに、高杉はひたすらに掌を握ったり開いたりを繰り返しながら、ぽつりぽつりと独り言を零すのだ。

「十四郎に痛ェ思いはさせたくねェからやっぱりちゃんとした病院が良いだろうし、医者もヤブまがいのは絶対ェだめだ。悪阻も苦しいだろうから入院させてやりてェし――っああ、自宅出産が良いっつったらどうすんだよ、近くに産婆とかいんのか、この辺り・・・!」

いやそれはやっぱり病院の方が良いんじゃねェの、初めてだし、と心の中で呟いて、銀八はようやく自分の肺に空気が流れ込んでくるのを感じた。

「ちょ、待て、高杉」
「十四郎は進学してェだろうから、俺が働くしかねェよな。アイツ勉強させてやりてェし。そうすっとガキは保育園だろ、あー、学校も良いところやりてェな・・・ランドセルは男だったら黒、女だったら赤だな。オレンジとか紫とかピンクとかは邪道だ、な!リュックサックも駄目だ、ランドセルだ!」

そうだよな、と唐突に水を向けられて、銀八は思わず頷いて。
「じゃねェよ、そんなんどうでもイイんだよ!」
慌てて首を振って叫ぶ。

「十四郎の方が学校終わるの早ェだろうから、飯は十四郎だな。アイツの飯は美味いからな。休日は俺が作ってやるからな、十四郎。そんでガキと十四郎が一緒にテーブルの用意して、そんで昼飯食ったら三人川の字で昼寝すんだ」
「高杉、帰って来い、高杉!」

目の前で旅に出ている生徒を引き戻そうと必死で呼びかけるが、銀八の声はどうも届いていないようで。段々虚ろになっていく高杉の眼を見ながら銀八は諦めたように大きく嘆息した。

「何、ガキが出来たの?だれとだれの間に?」
もう誰かに丸投げしたい。寧ろ熨斗つけて捧げてやりたい、と心の隅で呪詛のように呟きながら、銀八はぽん、と高杉の頭に手を置いた。
「おう、俺と十四郎の子だ。朝から十四郎がキモチワルイって言ってんだ。悪阻だ」
「あーそう・・・」

もうそれでも良いかな、とちょっと思う銀八だ。

「――だから、俺ァ就職する」
「・・・・・・いやもう好きにすれば良いと先生は思うけどな」
「出来れば十四郎と沢山一緒に居てェから、時間帯が選べる感じのが良いな」
「世の中そんなに甘くねェよ、――じゃなくて!」
「あと父親の育児休暇が保障されてるところだな。コレは絶対だ」
「ちょっと黙れ。――高杉。オマエ保健の勉強、ちゃんとしてっか・・・?」
成績以前に人間として危ない領域に踏み込んでいるような気がする。

「土方君は男だからな。ガキ、産めねェの」

まさか学校教師になってこんなことを教えるとは思わなかった。自分の生徒は、頭のネジが飛んでいるどころか、脳みそが溶けて消えてなくなっているのではないか。

「男でもあんだけヤれば、そのうち孕むんじゃねェ?」
「孕まねェよ!つかどんだけヤってんの!」
「聞きてェの?」
「いらねェよ!」

帰れ、と追い出して、その背を見送った後、銀八はずるりと脱力して、崩れ落ちるように床に座り込んだ。
煙草が吸いたい。
腹も減った。
残っていた体力を吸い取られたような気がして、もう絶対あいつ等には関わるまい、と固く心に誓ったのだった。


三日後、無事風邪から回復した土方が、高杉の家族物語を聞いて、幸せそうにその手を取っているのを見かけた銀八が、黒板消しを持って二人を追い回していたのが、職員室の英雄伝になっていたという。


――
もう二人が幸せなら良いんじゃないかな、うん。
結局進路なんも関係ねェし。
すいません・・・。
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