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キモチワルイ高土その6です。

イタいシンスケくんの煩悩と、デパートのお姉さんの話。

高土です、ちゃんと。





大丈夫な方だけ・・・。




ふと目に留まった真新しい看板に、高杉は幾度か眼を瞬かせた。

土方の親が珍しく帰っているというので、一人名残惜しそうに先に帰ってしまった土方を見送って、高杉は一人ぼんやりと今夜の食材を求めて手近なデパートに入った。隣に土方がいないと苛々する、と。もともと悪い目つきを更に鋭くしながら、高杉は大きく嘆息した。
スーパーとデパートの境目のようなその店は、セール中という事もあって、何時もよりにぎわっている。
取り合えず食べる物だけ、と適当に買い物を済ませた高杉は、店の一角でやっていたセールにふと目を留めた。

「・・・エプロン・・・・・・」
ぼそり、と。高杉は呟いた。色とりどりのエプロンに主婦たちが群がっている。
「・・・あいつ、持ってたっけか・・・?」
ぼんやりと、そんなことを考えて、高杉はその一角の前でぽつりと佇んだ。

一枚くらい、買ってやっても良いかもしれない・・・。
普通の、普通のだ。
例えばほら、俺の家で飯作ってくれるときとか・・・・・・。
それを着て作ってくれるなら・・・。

「新婚みてェ・・・」
こくりと喉を鳴らせて、高杉はふらふらとエプロンの山に近づいていった。
どれが似合うだろうと、主婦の間をくぐりながら何とかたどり着いて、高杉は一枚一枚眺めながらきゅっと眉を顰める。
どれでも似合いそうだ、と。

「お母さんへプレゼントですか?」
背後から声をかけられて、高杉はびくりと肩を跳ね上げた。
「や、違ェ・・・」
店員だろうか、制服を着た女が一人、にこやかに笑いながら立っていた。片手にいくつもの商品を抱えていて、それを一つずつ棚に戻していく。
「なら・・・恋人?」
「ああ」
さらりと即答して、高杉は小さく嘆息した。
どれも似合いそうなのだが、いかんせんどれが良いのかわからない。
「背は高い?それとも低いのかな?」
「あァ?」
「恋人さんよ」
「高ェ・・・けど・・・」
そう、と店員は呟いて、一つ手に取ったエプロンを残念そうに見つめた。
「ならフリルは止めておいたほうが良いかもね・・・」

想像して、思わず心臓が跳ね上がる。
「・・・・・・そう、だな」
頷きつつも、イイかもしれない、と頭の隅でもう一人の自分が叫んでいた。
「・・・それに、あいつ多分そういうの嫌いだ・・・」
なんせ土方だ。
とても着せてみたいが、すごく着せてみたいが、こんなものを渡したら三日くらいは会ってくれないかもしれない。
一緒に帰れないだけでこんなに苛々するのだから、三日も会わなければ――それも土方が怒ってしまったら――どうして良いかわからないではないか。
着せてみたいけれど、それは嫌だ、と。店員の持つフリル付きエプロンを目で追いながら高杉は聞こえないようにこそりと溜息をついた。
いつか頼みこんだら着てくれるだろうか・・・。

「恋人さんはシンプルなのが好きなのかな?」
「ああ、無地とか、そういうのがいいな」
それなら着てくれるだろう。
「なら、ワンピースタイプのはどうかな、上から着るやつ」
幾つか進めてくれるそれを見て、高杉は一蹴した。
「駄目だ」

だって、それは脱がせられない。
そこのところはとても重要で、エプロンを着せたまま下の服が脱がせる、というこの一点だけは、絶対に外せない。
頑なに拒否をする高杉に店員は訝し気な視線を向ける。
「恋人さんはワンピース駄目なの?」
いや、きっと着れば似合うのだろうけれど――と高杉は主張する――。
似合うだけでは駄目だ。やはり紐で結んで、必要があれば解けなければならないし、必要が無ければ、できれば解けないほうが良い。土方の肌の色は白いから、できればそれに似合う色がいいと、そろそろ真剣になってきた高杉だ。

「シンプル主義なのね・・・」
合理主義と言って欲しい。
じとりと視線を向けて、高杉は積んであるエプロンの中から適当に一つ取って、それを店員に差し出した。

「・・・いいの?」
「ああ、良い」
結局、そうだ。余り悩む必要も無い。
「あいつは何でも似合う」
にィ、と笑って言い切って、高杉はその店員を絶句させたのだった。


家に帰ると、部屋の扉の前で土方がぽつりと一人、立っていた。
「待ってたのか、十四郎・・・?」
「親仕事行ったからよ、今日は晋助んちに泊まろうと思ってな」
遅ェよ、と呟いて、土方は高杉の腕にくたりともたれかかった。

「十四郎、良いモン、やるよ」

く、と喉の奥で笑って、高杉は思ったより早くやって来た楽しみに、機嫌良くそう言ったのだった。





駅ビルでエプロンセールしてたんす。
シンスケがぶっ壊れてきたわけで・・・すいません・・・

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