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2007.07.04 Wed 00:59:25
キモチワルイ高土(完略
その四。
もう何も言いません。
テスト編。
その四。
もう何も言いません。
テスト編。
テスト週間になってあの二人のあれこれが一瞬でも止まるかと思いきや、それは少しばかり認識が甘かったと、彼らのクラスメイトたちはかくりと肩を落とすのだった。
「なァ、テスト勉強してェから・・・さ、一週間くれェ晋助んち・・・泊まりに行っても良いか?」
何時ものように窓際の指定席で、二人、顔をつき合わせている。テスト週間は昼練も休みになるからだろう、土方の弁当をつつく高杉の傍に、その土方が増えるだけで、クラスの空気はさらに微妙なものに変わっていく。
「あ?ああ、来いよ、俺も教えてくれや」
「親には言ってあるからよ、今日一緒にオマエんち帰ろうぜ」
嬉しそうに土方が呟くものだから、高杉は土方作の弁当の中からから揚げを一つ頬張って、機嫌良さそうに笑ったのだった。
帰りにコンビニで買い物をして、何時ものように手を繋いで帰る。
土方を家に招きいれて、高杉は嬉しそうに鍵を閉めた。
高杉の家には何時土方が泊まりに来てもいいように、歯ブラシやタオルや下着や、そういうものがちゃんと用意されていた。箸や湯のみ(夫婦)まできちんと置いてある。
「取り合えず、飯まで一時間くれェ、勉強しようぜ」
鞄から教科書やノートを引っ張り出して、土方が高杉の袖を軽く引いた。
「おう」
二人で向かい合って、教科書や問題集に目を向ける。
「晋助、ここ、教えてくれよ」
こつこつとシャーペンで問題集を叩いて、土方が高杉の隣へこそりと寄り添った。
「あ?ああ、ここな、オマエ歴史苦手か?」
「この範囲が苦手なんだ」
拗ねたようにそっぽを向いて、土方が小さく呟く。
土方を抱き寄せながら、高杉がくく、と喉で笑った。
至福である。
「学校だとこうやって勉強出来ねェもんな・・・」
「皆邪魔するしな、先生とかも」
土方が残念そうに零した。学校では机をくっつけて、頭をつき合わせるだけで精一杯だ。肩を寄せたり抱いたり、こんな風にすることもできない。
「学校嫌いじゃねェけど、オマエとあんまりいられねェからな」
そういう土方の言葉だけで、高杉は幸せになれるのだ。
高杉がまともに勉強し始めたのも、土方がその原因だ。ずっと一緒にいたいから、進路の事も考えて、土方と同じレベルくらいにはなっておこうと思ったのだ。それに、下手に留年でもしてしまったら、只でさえ接触が少ない学校だ、違う学年になってしまうなど考えたくも無い。
逆にある程度適当にやっていれば、周りは自分達について何も言わない、というのも学んだことの一つだ。もうそれは諦められているだけなのだが、そうだとしても違うとしても、邪魔が入らなければそれでいい。
それに、テスト前のこの時間も嫌いじゃない。土方が泊まりに来て、一緒に勉強して。能率が上がるのか下がるのかは微妙なところだが、コレが一週間も続くのだ。
「――解ったか?」
「ああ、何とかなりそうだ」
真剣に問題集に目を通しながら、土方は高杉の身体に手を回した。
「助かった、悪ィな」
へへ、と笑って、そのまま高杉の傍らで再びシャーペンを走らせる。
「テスト終わったら、どっか遊びに行こうぜ、十四郎」
その髪をくしゃりと撫でて、高杉も土方に腕を回したまま自分の教科書に視線を向けた。
「十四郎、ここ教えろ」
「何処だ?」
「ここ」
教科書を指差して、高杉は悪ィ、と呟いた。
こうやって教えあっている時は――別にそうでなくても――とても自分達の距離が近く感じる。土方の声を聞きながら、高杉は楽し気に笑った。
結局テストは二人ともそれなりで、点数まで仲良く似通っていたものだから、何時もの事ながらクラス中だけでなく、教師達も諦めの境地だ。
「・・・テスト週間終わったから・・・今日は家、帰るな」
余り空けていても怒られる、と。テスト明けの教室で、土方がこの世の終りのような顔で呟くのを、高杉はこの宇宙の終りのような顔で聞いていた。
「・・・オマエ、母親次何時帰ってくるんだ?」
「・・・さあ・・・?」
土方が首を傾げる。昨日帰ってきて、一度家に帰れと電話があったから、もう三日くらいは帰ってこないだろうとは思うのだが。
そう言うと、高杉はもうそれが癖であるかのように、土方の髪をくしゃりと撫でた。
「なら、今日から俺がオマエんち、泊まりに行く」
そして、テスト明けのもうどうでもいいよ、という投げやりなクラスの雰囲気の中で、二人意気揚々と手を繋いで帰って行った。
これ何処までいくんだろ・・・。
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